私の好きな<児童書・絵本>6冊
本を扱う仕事に就いています。
今は人事や労務関係の仕事が増えてしまいましたが、
一番長く携わったのは児童書関係でした。
良い絵本は変わらず、どの時代の子どもにも好かれるようで
『ぐりとぐら』や『キャベツくん』、『だるまちゃんとてんぐちゃん』など
昔から読み継がれている絵本が沢山あります。
栄養の多さに加えて物としての魅力も大きく、私も絵本が大すきになりました。
あまり数は持っていませんが、特にすきな6冊を紹介させてください。
- 『バムとケロのもりのこや』 島田 ゆか
- 『きょうはなんのひ?』 林 明子
- 『ジャイアント・ジャム・サンド』 ジョン・ヴァーノン・ロード
- 『ペレのあたらしいふく』 エルサ・ベスコフ
- 『時計つくりのジョニー』 エドワード・アーディゾーニ
- 『ふしぎな木の実の料理法』 岡田 淳
『バムとケロのもりのこや』 島田 ゆか
子どもから大人まで楽しめる、人気のシリーズです。
二人の持ちものや部屋の小物ひとつひとつまで細かく描かれていて、
絵を眺めているだけでも楽しめます。
私が持っているのは「もりのこや」ですが、この「おかいもの」が1番すき。
(魅力的<もの>が、たっくさん出てくるのです)
『きょうはなんのひ?』 林 明子
「まみこ」という名前の女の子が、両親の結婚記念日に楽しい仕掛けを考えます。
仕掛けに使われた まみこ のお手紙は、林明子さんの娘さんの文字だとか。
お母さんの笑顔がハンサムでとってもすき。キュンとします。
林明子さんは好きな本が多くて選びきれません。
色使いも鮮やかでとてもきれい。
見ていると心と目が喜びます。
『ジャイアント・ジャム・サンド』 ジョン・ヴァーノン・ロード
有名な絵本が続きましたが、この本はマイナー寄りではないでしょうか。
「むんむん むしむし あつい なつ
チクチクむらに とんできた
4ひゃくまんびきの ハチの たいぐん」
・・・という大変な事態に、村人は大きな大きなパンを焼き、バターとジャムを塗ります。
そのジャムにハチがおびき寄せられたところを、もう1枚のパンでサンド!
見る人によってはゾワゾワしてしまうようですが、
私はこの、ちょっとの不気味さも相まって大すきな1冊です。
同じ作者でもう1冊『にげだしたローラー・スケート』という絵本がありますが、
現在流通はしていないようです。
『ペレのあたらしいふく』 エルサ・ベスコフ
私はもの作りをするお話が特にすき。
育てた子ヒツジから毛を刈り取り、毛をすき、糸を紡ぎ、染め粉で糸を染め、布を織り、服を仕立てる・・・
ペレは大人の手を借りながら、自分の服を完成させます。
もの作りの過程の中にある手間が見えにくい時代。
その手間の中におもしろさがいっぱい詰まっていると思います。
『時計つくりのジョニー』 エドワード・アーディゾーニ
もの作りのお話をもう1冊。
ジョニーはジェーンおばさんからいただいた『大時計のつくりかた』という本が一番のお気に入り。
ある日「ぼくも、大時計をつくろう」と思いつきます。
お父さんもお母さんも、学校の先生も他の子ども達も「ばかなことをいって!」と相手にしなかったり、からかったり・・・。
そんな中、立派に大時計を作り上げたジョニーの気持ちを思うと、私も一緒に深い満足を感じられるのです。
アディゾー二のペン画も印象的。
もの作り関連ですと、このシリーズもおすすめです。
『ふしぎな木の実の料理法』 岡田 淳
最後に、絵本ではありませんが、好きすぎて購入した単行本の紹介です。
「こそあどの森の物語」シリーズとして、現在12巻まで出版されています。
シリーズの第1作目にあたるこちらは、こそあどの森の住人とその住んでいる家を見ることができるお話。
挿絵で描かれているお家の断面図や家具、細かい仕掛けなどが具体的で、
本当にこんなお家があるんじゃないかな、造れるんじゃないかな・・・という気持ちになります。
主人公のスキッパーという男の子が無口なこともあってか、物語もとても静かで穏やかなのも良いなぁと。
読むと優しい気持ちになります。
たまに児童書を手に取ると、自分の日常とは違った視点に はっとさせられることがあります。
大人になった今だからこそ分かることや、感じることもたくさんあるはず。
私も久しぶりに、絵本を一冊買って帰ろうかな。