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糸紡ぎ、編みもの、本・・・趣味と日々の雑記

菊池亜希子さん著『へそまがり』

 ゆっくりゆっくり読んでいた菊池亜希子さん(以下あっこちゃん)の『へそまがり』。

本日読了いたしました。

 

へそまがり (エッセイ)

へそまがり (エッセイ)

 

こちらは、月刊誌の『リンネル』に2016年8月~2020年3月の間連載されていたエッセイをまとめた1冊。

 

絵も描けるあっこちゃん(今までの著書も自分のイラストを使うことがほとんど)ですが、今回は小川雄太郎さんというイラストレーターの方がエッセイに合わせて絵を描かれているようです。

イラストは表紙にあるようなシンプルで構造的なものが多く、本に使われている6色の柔らかい紙と、あっこちゃんの文章とがちょうど良く合わさってひとつの作品になっています。

 

今までは服や物・場所や人など、あっこちゃんの好きなものを通して人柄が伝わってくる内容が多かったのですが、今回は文章そのものから想いが伝わってきます。

結婚・妊娠・出産・子育て・・・と30代のあっこちゃんに起こった様々な出来事が詰まっていて、中には書くのに勇気がいっただろうな、と思うものも。

 

ごろんと横になりながら読むと「よしよし」と慰められているような、キライな自分もまるっと包んでくれているような、そんな気持ちにしてくれます。

あっこちゃんが弱い部分も書いてくれたから、ぐんと優しい本になっているのだと思いました。

 

中でも「私の好きな私」というエッセイが心に残っています。

「その人を好きかどうかよりも、その人といるときの自分が好きかどうか」

 

背伸びをせずに そのままの私で のびのびといられるか。

そんな自分を、自分でちゃんと好きだと言ってあげられるか。

 

私に足りていなかったのは、こういう考え方だなあと。

 

人であれ、ものであれ、今後自分の基準のひとつとして大切にしていきたい。

そんな言葉に出会えた1冊でした。 

 

最終更新:2020年07月11日